1. 海図図式
海図図式とは、海図を作るため細部にわたって決められた、すべての規定のことです。一般的には、図法、縮尺や経緯度、水深の基準のほか、海図に記載される「記号と略語」をまとめたものを海図図式または海図式と呼びます。水深、海中の危険物、灯浮標、航路の境界、陸上の目印などについて、海図上での表現方法が細かく定められています。
海図図式についてのご案内です。
海図図式とは、海図を作るため細部にわたって決められた、すべての規定のことです。一般的には、図法、縮尺や経緯度、水深の基準のほか、海図に記載される「記号と略語」をまとめたものを海図図式または海図式と呼びます。水深、海中の危険物、灯浮標、航路の境界、陸上の目印などについて、海図上での表現方法が細かく定められています。
海図に記載されている「水深」、陸部の山や塔の「高さ」の単位はどちらもメートルです。ところが、水深と高さは、測る基準面が異なっています。水深は最低水面から測った値、高さは一般には平均水面から測った値です。海図には、水深・高さの単位と基準面が明記されています。
実際に海図で表示されているものの説明と、代表的な図を紹介します。
海部に描いてある多数の小さい数字は、その位置における深さを示すもので、これは海図の中で最も重要なものです。この数字は、航海上の安全性から海面がこの面から下がることがほとんどまれな面(わが国では最低水面といっています)からの値で、図上の水深は最浅値を示しているといってよいでしょう。
海底の地質または堆積物などをいい、決められた略語で記載してあります。底質は港湾、泊地、避泊地の錨かきの良否を表示する重要なものです。
海底の起伏の状態を見易くするためのもので、山の等高線に相当します。等深線は、連続する細い実線で表し、通常2m、5m、10m、20m及び200mの線が描かれています。等深線は、航海の安全を考え、それと等値の水深よりも常に深い側に描かれています。ヨット・モーターボート用としては2m、5mの等深線の表示に気をつける必要があります。
灯台、灯標、灯柱、灯浮標、無線標識局、レーダ局、ロラン局などを言います。航路標識の中で最も重要なものは、大洋から接近するとき初認の目標として用いる灯台で、構造も堅固で、光力、光達距離ともに大きく、沿岸航海用または港湾、漁港に入港するときに使うものは、前者に比べて規模が小さくなっています。
各灯台は、相互の判別を容易にするため、灯色、灯質、周期など固有の様式を持っています。
海の測量では水深測量のとき潮流測定が行われ、その成果は図上に記入されます。激潮や渦流は強い潮流が狭水道から流出するときできるもので、実際の場合には、潮汐現象の生ずる時間や気象との関係で、必ずしも図示の現象を認められるとは限りません。流速は大潮期の最強流速をノットで表示しています。
サンドウェーブ、沈船、魚礁、海底線、海底輸送管、水中障害物などを記載してあります。
港界、港区界、航路界、検疫錨地、投錨禁止区域、航泊禁止区域、土砂捨場、海上交通安全法の航路などを記載してあります。